概要 #
Google Cloud の AI アシスタントのGemini Cloud Assist (GCA)が気になったので調べてみた
Gemini Cloud Assist (GCA) とは? #
- Google Cloud の AI アシスタント
- Google Cloud上でGemini チャットが使えるイメージ
- いつからあるのか?
- 2024年4月 Google Cloud のイベント「Google Cloud Next」でプレビューリリースされたみたいで 意外と1年ぐらい経っているサービスだけど、非公開プレビュー、プレビューな機能が沢山あり、まだ開発段階?
- 参照
Gemini Cloud Assist (GCA)とAIチャットボット(Gemini)との違い? #
- LLM(Large Language Models)が違う
- Gemini Cloud AssistのLLMは、Gemini 基盤モデルと言われる専用のモデルを作成しているので、 Google Cloudに特化した回答を得られるらしい
- ※Code Assist は、Gemini 1.5 Flashモデルとか一般的なGeminiと同じモデルを使用している
- 他のGoogle Cloudサービスと連携できる
- Google Cloudの複数サービスとそのデータと連携することで、使用しているGoogle Cloudサービスを考慮した結果が得られる
- 参照
Gemini Cloud Assist (GCA)とGemini for Google Cloud 他サービスは何が違う? #
Google Cloudで、GCA以外にもAIサービスを複数提供していますが、 Google Cloud基盤と連携して基盤をサポートできるのは、Gemini Cloud Assistだけ!
例えば、以下のようなサービスも提供しています
- Gemini Code Assist
- 開発者向けコード補完AI。VSCode、Cloud Shell などと連携
- Gemini in BigQuery
- データ分析をサポート
- Gemini in Security Command Center
- セキュリティの問題に対して開かれたケースを要約
- 参照
Gemini Cloud Assist (GCA)で何ができるの? #
クラウドの設計・運用・改善を自然言語で支援してくれるようです。例えば以下のようなこと。
-
設計支援(プレビュー)
- Application Design Center の統合
- チャットで自然言語で会話した結果からApplication Design Center を使った
アーキテクチャ図とアプリケーション テンプレートを自動生成する
- Application Design Centerとは、UI上の操作だけで、terraformコードを作成するサービス
- チャットで自然言語で会話した結果からApplication Design Center を使った
アーキテクチャ図とアプリケーション テンプレートを自動生成する
- Application Design Center の統合
-
調査支援
- AI による分析で相関関係の調査を行いシームレスにサポート窓口と連携することが可能
- ログ、構成、メトリックなどのデータソースのレビューに基づいており、 環境で何が起こっているかを調査してくれる(プライベートプレビュー)
- ログを要約してくれる(GA)
- ※ Cloud Observability(Cloud Logging、Monitoring、Trace等)が設定されていることが前提の機能
- AI による分析で相関関係の調査を行いシームレスにサポート窓口と連携することが可能
-
コスト最適化(FinOps)
- Cloud Billing で自然言語を使ったサポートをしてくれる
- 例えば、「先月のGKEの費用は?」などの質問で自動フィルターを作成して表示する
- Cloud Hubの最適化機能を使用したコストダッシュボードとも連携可能
- Cloud Hubは、Cloud Billing、Cloud Monitoringから収集したデータを元に 使用量・コストを可視化してくれるサービス
- ※コスト最適化の提案機能もあるが、プライベートプレビュー
- Cloud Hubの最適化機能を使用したコストダッシュボードとも連携可能
- 例えば、「先月のGKEの費用は?」などの質問で自動フィルターを作成して表示する
- Cloud Billing で自然言語を使ったサポートをしてくれる
-
参照
Gemini Cloud Assist (GCA)の制限やコストは? #
-
割当上限
- 基本的には Gemini for Google Cloudと同じみたいですね
- 例えばCloud Assist は以下のような上限の違いがあります
- プロジェクト内の各ユーザーに対して 1 日あたりのリクエストの合計数:960
- ※Gemini Code Assist等は、リクエストの合計数:6000
- 例えばCloud Assist は以下のような上限の違いがあります
- 基本的には Gemini for Google Cloudと同じみたいですね
-
機能やコスト
- Standard、Enterprise(有料)の2パターンあるようですが、
プレビューなので現時点であれば追加料金なしで使用できるみたいです!
- Enterprise の申し込みページのドキュメントみるとGemini Code Assistのことしか 書いてないので詳細不明ですね。
- Standard、Enterprise(有料)の2パターンあるようですが、
プレビューなので現時点であれば追加料金なしで使用できるみたいです!
-
参照
Gemini Cloud Assist (GCA)の設定と使用方法は? #
- サービスの有効範囲
- Gemini Cloud Assist (GCA)は、プロジェクト、フォルダに対して設定します
- 使用方法
- 「Gemini Assist」パネルで対話形式で使用する
- 使い方は、Geminiとほぼ同じ
- セキュリティ
- 権限
- チャットを実行したユーザアカウントのIAM権限の範囲
- 暗号化
- Gemini にプロンプトを送信すると、データが転送中に暗号化されます
- データ
- ユーザーが入力したプロンプトやそのレスポンスが、Gemini のモデルの トレーニング用データとして使用されることはない。
- 権限
- 言語
- ドキュメント上記載はないが、使用すると英語だけと表示されました。
- ただし、日本語にも対応はしているので、使用はできる ※調べると英語の方が精度が高いみたいですね
- 設定
- 画面の操作に従って以下を有効にするだけですぐに使える
- APIの有効化
- Gemini Cloud Assist API、Gemini for Google Cloud API
- 実行するユーザに権限を追加
- Gemini Cloud Assist ユーザー、Recommender 閲覧者
- これは、Gemini Cloud Assistを使用する最小限の権限
- 連携サービスが必要な場合には連携側サービスを設定したり、権限追加が必要
- Gemini Cloud Assist ユーザー、Recommender 閲覧者
- 参照
Gemini Cloud Assist (GCA)設定を有効化してみた #
実際にGemini Cloud Assist (GCA)を使えるよう設定を有効にしてみましょう。 今回はプロジェクト単位で設定を有効にしてみます
- Gemini の管理 ページに移動します。
- Gemini Cloud Assistの「Gemini Cloud Assist を取得」を選択します。
- 必要な API(Gemini Cloud Assist API と Gemini for Google Cloud API)が有効になっていることを確認して、「Enable Gemini Cloud Assist at no cost」を選択してAPIを有効にします。
- 以下のポップアップ画面が表示されたら、「権限を管理」からIAMへ移動し
「プリシンバルを追加 」を選択して、IAMを設定します
- Gemini Cloud Assist を利用するユーザーに 「Gemini Cloud Assist ユーザー」
と 「Recommender 閲覧者」 を付与して保存を選択して、ポリシーが更新されれば準備OKです
Gemini Cloud Assist (GCA)を使ってみた #
設定が終わったので実際に試してみました。
使い方は、画面右上のGeminiマークをクリックします。
Cloud Assistのウィンドウが表示されたら、「start chatting」をクリック することで使用できます。 ※やはり、日本語には対応していないみたいですね。。
Gemini Cloud Assist (GCA)に質問してみた #
実際に調査系の質問をいくつか試してみました。
- Q. どの VM の使用率が最も高いですか?
- A. This query returns the VM with the highest usage.
- 和訳: このクエリは、使用率が最も高い VM を返します。
- 補足
- クエリを教えてくれる
- topk(1,agent_googleapis_com:processes_vm_usage{monitored_resource=“gce_instance”})
- 英語バージョンも同じ結果
- 「Which of my VMs have the highest utilization?」
- クエリを教えてくれる
- Q. IAMアカウントは、いくつありますか?
- A. Here are the results: 2
- 補足
- 結果は正しいです!
まとめ #
- Google Cloudの操作や設計を「会話形式」でできるのは便利ですね
- 設計関連のメインな機能は、プレビュー、プライベートプレビューばかり
- YouTubeの動画で紹介されている機能は、基本的にGAしていないサービス
- Gemini Cloud Assist (GCA) もGAしているが、ドキュメント上は注意事項が多い
- 現在運用中のリソースの調査系機能は、意外と実用的かもしれません
- 連携機能の設定が複雑なことが課題
- 現在のところ、以下のような使い方が適しています:
- 現行リソースの調査や補助ツールとしての利用
- 設計サポート機能はまだ発展中
- 興味がある方は個人で試してみることをおすすめします。今後の機能向上に期待です。
- 現在のところ、以下のような使い方が適しています:
参考資料まとめ #
- 動画
- ドキュメント・Gemini Cloud Assist
- その他・GoogleCloud
- Cloud FinOps とは
- FinOps (Financial Operations) は、このクラウドの特性を理解し、 「クラウドの費用を無駄なく、効果的に使う」ためのフレームワーク
- Fin Opsハブでコストを最適化
- リソースコストと利用率を最適化
- Google Cloud Observability
- Cloud Assist Investigations
- Application Design Center
- Cloud FinOps とは